2016/05/08
春の行事・目白押し
4月10日は吉里吉里忌・2016でした。つまり作家故井上ひさしさんのご命日に当たるので、川西町では全国から沢山の人が集まって、記念の講演会や、パネルディスカッションなどが行われたのです。
今年のパネルディスカッションは、『観る、演る、論ず--井上芝居の魅力』と題して、女優の渡辺美佐子さん、演劇評論家の大笹𠮷雄さん、朝日新聞論説委員の山口宏子さんでした。渡辺美佐子さんは井上芝居の『化粧』で、一人芝居を長年演じてきた女優さんで、延べ600回を超える公演をこなしてきた方です。難しい役をどのようにして苦労を重ねて演じ続けたのか、楽しいなんてものじゃなく、無我夢中で、脇目もふらず、どさ回りの座帳の役を通して、人間とは何か、母とは何か、親子とは、、と演じてこられた苦労などをおもしろ可笑しく、懐かしんで、熱く熱く語られました。
今年の講演会は、作家の出久根達郎さんでした。演題は『井上ひさしと本』というもので、予想に反して最初のひと言から面白くて可笑しくて、笑いが聴衆の間を渦巻き、だんだんと醒めていき、進んでいきました。井上ひさしさんがとても気を遣われる方だったこともおっしゃっていて、さもありなんと思いました。古書店主の出久根さんですから、古書店の貴重なお話を聴かせていただきました。また美智子皇后の秘話などもこっそりと教えてくださいました。写真を撮るのは禁止と言われていて、夫が隣でそっとデジカメで撮った遠い遠い写真です。このように毎年吉里吉里忌ではめったにお目にかかれない方のお話が聴けるので、とても楽しみです。最後は夫人の百合さんがご挨拶なさって、「井上が亡くなって6年が過ぎ、この5年間に日本ではいろいろのことがありましたが、もし井上が生きていたらどんなふうに嘆いたり、悲しんだりしたことかと、、、それが聞けなかったのが残念です』というようなことをおっしゃいました。3.11、原発事故、憲法9条の問題など、みな井上ひさしさんが前から特別に心配していたことが起こっているのですから。本当に早く亡くなりすぎた感があります。総合司会が元NHKアナウンサーの古屋和雄さんだったので、終了後、私は勇気を出して立ち入り禁止の楽屋に入り込み、古屋さんに『あのう、私、数年前に古屋さんが有江活子さんとラジオ謎かけ問答の司会をやってらした時に何度も投稿して採用されたベニーととこです。』と自己紹介すると、思い出して下さり、「あれ楽しかったですよねえ、笑い転げた思い出ありますよ』なんておっしゃって、いやあ、良かった!古屋さんとお話しできて、、、その日の私の一大収穫だったのでした。
4月19日には福島県立美術館に『フェルメールとレンブラント・17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち』展を観に行きました。朝10時に出発して福島市までは1時間と20分ぐらいで着きます。フェルメールとレンブラントの絵はそれぞれ1点ずつですが、それでも福島県まで来ることはめったにないので、大勢の人が詰めかけていて、駐車場に入るのに、すこし時間がかかりました。やはり中は広々としていて、大都会の美術館とは違い、楽に観ることができました。フェルメールやレンブラントの時代の画家たちは、板に油絵で、細かい景色や肖像画や出来事を描いていたのです。フェルメールの絵は『水差しを持つ女』で、ブルーのスカートの色がきれいだった。レンブラントの絵は『ベローナ』で、両方ともニューヨークのメトロポリタン美術館から貸し出されているのです。「ヴァージナルを弾く女性」は箱形の楽器を弾く女性の絵で、チェンバロの原型のような物でしょうか。これはオランダのロッテルダム美術館からの物です。ベローナは女性にもかかわらず甲冑を着ている姿ですごい細工が描かれていました。私は古い時代の絵を観るとどうしても描かれている人物の着ている衣装や、部屋の床や家具などに目が行きます。長いヴォリュームのあるスカートや袖の膨らんだ美しいブラウスなどの服は絹で織られていたのだろうか?また冬は毛皮のベスト、織物のストール、なども男女とも着ていたようです。白と黒の大理石の市松模様の床の絵が数点在った。きれいだが寒かっただろうなあ。
帰りに、飯坂温泉の旧堀切邸を見物しました。江戸時代に若狭の国から移住した梅山太郎左右衛門が開墾し、掘りを切ったことから名を堀切と替え、後に内務大臣や東京市長、イタリア大使などを生んだ旧家の屋敷が残っていて、興味深い物でした。
話は前後しますが、3月の末に『玉庭の雛巡り』がありました。前から観たかった玉庭の横山さんの家のお雛様を観に行きました。何種類かの段飾りのお雛様や相良人形などもあり、また茶の間ではいろいろなお茶請けがお膳の上一杯に並べられていて、どれも美味しく手間がかかっているものでした。
山では一番にブナの樹が芽吹き始め、そのあとは春がゆっくりですが、新緑の森へと変化していきます。
4月の末に薪屋さんが薪をトラックに満載してやってきました。この後もう一回運んで、うちの前は薪の山が出来ました。夫はこれから忙しくなります。今年は薪割り機のすぐそばの同じ平面に置いて貰ったので、去年より楽になります。太すぎる丸太も少なくて、ほっとしました。
連休が終わりに近づいた5月4日、雛巡りのときに知り合った小国町のFさんとYさんから連絡をいただいていた『小国熊祭り』に行ってきました。熊肉が放射能検査を通過して、数年ぶりに『熊汁』が提供されるのです。小国町の小玉川地区はそれはそれは山奥に位置し、国民宿舎・梅花皮(かいらぎ)荘があるので、そこの隣の広場で行われるのです。熊肉を食べたことのない私たちは、興味津々で、朝7時半にもう出発していたほどの張り切り様です。道が一本しかないので、渋滞が予想され、早く来るようにとFさんから言われていたのですが、半信半疑でした。ところが帰る時に、駐車場に入れなかった車が、その一本道に何キロにも並んで路上駐車していたのを見て、納得しました。熊汁は臭みがなく柔らかくて、どちらかというと牛肉に近い味でとても美味しかったので、びっくりしました。他に入っていたものは大根と葱だけでした。今年マタギが狩った熊肉なので、とても貴重な物です。
熊祭りはマタギの里として数百年受け継がれてきた熊狩りを、神さまと熊に感謝して厳かに行われる大切な行事なのです。数人のマタギが熊役の黒いぬいぐるみを着た熊君を追い詰めていく熊狩りのさまを実演してくれました。例年なら残雪の上を黒い熊が歩くのがはっきり見られるのですが、今年は残雪はほんの少しで、遠くから見るのも大変でした。この頃までには降っていた雨が止み、お日さまが顔を出すと飯豊山が素晴らしい山容を見せてくれました。残雪の映える神々しいような飯豊山はいつ見ても心が洗われる思いがします。
2016/04/15
三寒四温の日々
春らしくなったと思えば、また冬のような冷たい風が吹き荒れるといった、毎日日替わりメニューのような気まぐれな天気です。
山道から見える沢筋には水芭蕉が咲き始めました。まだ山の中は寒いので、ポツポツとしか咲いていません。
この間のショウジョウバカマは蕾だったのでしょう。今は赤味も増して細い花が全部開いています。
春蘭も首をもたげていますが、花の中はなかなか見せてくれません。
山の小さな丁字桜も満開に近いところもありました。
家の斜面に一つだけ福寿草が出ていました。こんなところに植えたことはなく、どこかから種が飛んで来たのでしょう。ということは来年以降もまだ増えるかも知れません。
ある日のお昼に、お寿司が食べたくなりました。そうだ! 前の日活きの良いトビウオを買って、片身を酢〆にしたのがある!これを寿司飯の上に散らそう。残りご飯でしたが、温めて、夏みかんの酸っぱいジュースを混ぜた寿司酢を作り、ご飯には煎り胡麻と酢漬け生姜の千切りを混ぜ、菜花の茎立ちを茹でて塩味を付けて載せ、錦糸卵を散らしました。トビウオがさっぱりとして半透明の身が美しく、美味しかった!
2016/03/30
春が来た!
3月28日、春になって初めて二人で散歩に出かけました。ただ道を歩いてもつまらないので、すぐに雪の融けているけもの道みたいな山道に入りました。まだ下草が出ていないので、木を払いながら歩くことができました。ところどころに雪が残っていますが、歩きやすい道です。よく見ると春蘭があちこちにあり、葉をかき分けると蕾が付いていました。蕾はまだ這いつくばっているのですが、もうすぐ頭をもたげて開くでしょう。日当たりの良い南斜面にはイワナシも見られました。一株だけ蕾を付けていました。何と桜も一枝蕾を付けていました。でも何と言っても、咲いていたのは丸葉マンサクだけでした。春になると「まず咲く」からマンサクなんですね。
いつも調理台の上で決まった置き場所が無くて、そこら辺に置かれて肩身の狭い思いをしていた包丁! 使いよいキッチンの本に出ていた包丁置きを夫に見せて、似たようなものを作ってもらいました。天然木で、感じがよい包丁置きが出来て、包丁もいつも拭いてもらってうれしそうに見えます。
この冬もまたオリジナルなルームシューズを作りました。毛糸のソックスの底を切り取ったものを、足の長さに合わせて切った長靴の中敷きのフェルトに縫い付けて、靴の形にします。無理に拡げているので、ソックスの切り口がほつれないように毛糸で細編みを2段編んでから縫い付けました。このフェルトは真っ白だったので汚れが目立たないように黒いウールの布を同じ形に切って、底に縫い付けました。暖かさも増しました。作る度にひとつひとつ履き心地が違って、お気に入りになる物とそうでもないものに別れます。これはちょっときつめで、履き心地はいまいちのルームシューズになりました。こういう毛糸のソックスは今どこにも売っていないので、L.L.Beanの通信販売で買っています。
冬でないと出来ない保存食のひとつにベーコンとジャンル—があります。今年も夫がベーコンを作ってくれました。これは写真無し。ジャンルーは、中華風のベーコンと言える物です。豚バラ肉の塊を4日間香辛料入りの醤油に浸けます。使う香辛料は、生姜、赤唐辛子、葱、八角、花山椒の実あるいは黒胡椒の粒です。浸けたら取りだして、寒風に4日間晒して干します。すっかり縮まった肉を蒸し器で45分蒸してできあがりです。
小分けして冷凍しておきます。香りの付いた醤油の旨みがしみ込んでいるので、チャーハンの具に、中華ちまきの具にも、また煮物の出汁とアクセントになり美味しいです。
冬のために大根を沢山買い込んだのですが、余っています。このところ良い天気が続くので、せっせと干し大根を作っています。ただ皮を剝いた大根の輪切りをざるに並べて干すだけです。皮もきれいなところは普通の千切りの切り干し大根も作ります。皮の部分の切り干しなので、煮物より酢の物やはりはり漬けに向いています。切ったときに一面拡がって並べるのも大変だったのに、干し上がるとこんなに小さくなります。
大根の料理で面白いのは「大根餅の途中下車」です。これは料理雑誌『四季の味』に素人の料理が出ているコーナーがあり、大根餅を作る途中で、米粉を入れて蒸し固めるところを省略して炒め物で終わりにしたという料理ですが、これがとても美味しいので、私の自慢料理にしています。
今年の冬はキャベツが大きくてお安いので、ただ煮込むのはつまらないと思い、ドイツやフランスのキャベツ料理の『ザワークラウト』を作り始めたら美味しいので、何回も作っています。これは発酵して酸っぱくなったキャベツですから、他の野菜と一緒に豚肉やソーセージを煮込むととても美味しく、たくさん食べられます。野菜をたくさん食べることは重要ですから、冬に便利な料理です。
作る時は千切りにしたキャベツを2%の塩を振って瓶や桶に入れ重石をして常温で放置するだけです。2日ほどすると泡が出てきて臭いが酸っぱくなったら、今度はもう3日ほど涼しいところに置いたらできあがりです。一度にたくさんできるので冷蔵庫で保存します。紫キャベツでも作ってみました。こちらは煮込むと色が悪くなるので、もっぱらサラダにしています。また思いついてお焼きに入れたらとても面白くて美味しかったです。小麦粉と大和芋のすり下ろしと水で衣を作り、紫きゃべつと小女子かじゃこを入れて、フライパンで焼きます。
3月半ば過ぎのある日の昼食は珍しくきれいに整いました。金目鯛の潮汁、炊き込みご飯、蕪と鮭トバのマリネサラダ、鶏レバーのコンフィ、付け合わせの野菜、紅大豆の煮豆でした。コンフィはさっと湯通ししたレバーに下味を付けてジップロックに入れて、オリーブオイル(とニンニクとローレルも)を被るほど入れて袋ごと鍋に浸けて弱火で茹でます。
2016/03/03
日々の楽しみ・自家製おやつ
これはリンゴと胡桃のクランブルケーキです。クランブルというのはポロポロの、粉々の物という意味で、砂糖とバターと粉をぽろぽろにしたものをリンゴとくるみのみじんぎりがはいったケーキの上に載せて焼くケーキです。最後に粉砂糖をふりかけてできあがりです。
プルーンの小さく切ったものを入れたスコーンです。バターの代わりに菜種油を使っています。風味は落ちますが、家で食べるおやつとしてな上等です。
孫娘のYちゃんと次男のTの誕生日が2月の末に集まっているので、二人のために焼いたクッキーです。スコットランドのお菓子の『ショートブレッド』を作りました。これはサクサクしたという意味の『short』と、クッキーなのに、何故か『bread』という言葉をつなげて、ショートブレッドというのです。面白いですね。材料は小麦粉(薄力粉)とバターと砂糖が、3:2:1という分かりやすい分量です。でも私はバターが高くて品薄なので、3分の1を菜種油で代用していますが、美味しさは変わらないと思います。でもバターは絶対に有塩バターを使わないといけないのです。もし無塩バターを使うときは塩を加えます。
もちろん自分たちのためにも少し小さめのを焼きました。焼けたら柔らかいうちにナイフの背で切り目の筋を入れて、またオーブンに入れてじっくりと弱火で焼き締めるのです。焦げ目は付けてはいけません。このクッキーは本当に粉とバターの美味しさを味わう物ですから、粉は北海道産の上等の粉を使います。
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