2016/07/07

花その後と、志田忠儀さんについて。

最初の写真は自然に生えてきた紫陽花です。淡い水色が特徴で、毎年丈が高くなってきます。冬には屋根から重い雪がどんどの落ちる場所にもかかわらず、春になると折れても何のそのと、伸びてきてちゃんと花を沢山咲かせます。不思議な紫陽花です。 2番目のは、漢方薬にも良くある『当帰』の花です。セリ科なので、細かいきれいな白い花が長く咲きます。これはアゲハチョウが大好きな花で、葉っぱをたべるのではなく、花やそのあとにできる種の素の実を好んで食べます。でもこの頃、アゲハチョウがとても少なくなっています。 3番目の花は、『グンナイフウロ』らしいのですが、葉っぱがもう紅葉しています。ピンク色の可愛い花です。ゲンノショウコの花と似ています。 4番目は車のタイヤのプランターの中に生えているハーブのフェンネルとその横に生えているフランネル草です。もう少しするとフェンネルにも花が付くはずです。フェンネルは独特の香がするハーブで、実が旨く付くと『クミンシード』のような物が採れます。
先日、大井沢の志田忠儀(ただのり)さんが100歳でついにこの世を去られました。本当に立派な人生を全うなさった方でした。私は二十数年前に大井沢の民宿『朝日山の家』に宿泊したときに、初めてお会いしました。その時70代の後半だった志田さんは、もう民宿の経営は次男の忠昭さんに任せていましたが、良く朝日山の家を訪れていたようでした。その存在を知ったのは長男が新聞社の世論調査のアルバイトで大井沢を訪れて、志田さんの民宿に泊めていただき、とても親切にしていただいたので、いつか私も行きたいと願っていたのです。なかよしのOさんと一緒に月山に登る旅を計画して、宿は『朝日山の家』と決めていました。忠昭さんの奥さまの智恵子さんが義父母から教わったことを忠実に再現して、山の幸をふんだんに使った美味しい料理でもてなして下さいました。ほとんどの材料は山から採ってきた茸や生け簀で飼っているイワナ、畑で獲れた野菜や山菜で、季節はずれの物は上手に塩漬けされて保存していた物でした。味付けも薄味で、すべて義母のキヨエさんから教わったのだと言っていました。 この2冊の本は志田忠儀さんが70代の終わり頃に西沢信雄さんが忠儀さんの話を聞き書きした『朝日連峰の狩人』(山と渓谷社刊)と、2年前にお孫さんの薦めで今度はご自分の原稿を素に出版社の協力で、自著として出版された『ラスト・マタギ」(角川書店刊)です。大正5年に大井沢で生まれ、ずっと大井沢で暮らしてきた狩人の志田さんの人生が語られています。山形県の真ん中でもっとも山形県人らしい生き方をした志田さんの貴重な100年の生涯が語られています。一人でも多くに人に読んでもらいたい本です。私は何回も何回も読んでいます。

5 件のコメント:

  1. ととこさま

    今日はまた一段と蒸し暑い一日です。朝、夕以外は家の中で過ごしています。
    先日のととこさまの紹介で早速に「朝日連峰の狩人」「ラスト・マタギ」読ませて
    頂きました。久し振りに感動することも多く、信念を持って生きている方はさすがに
    すごいなあと・・・
    いろんな意味で刺激も受けました。とても良い本を教えてくださり感謝しております。
    また、いろいろご紹介してください。

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    1. タッチラブさま、 驚きました。志田さんのご本を早速に買って、読んで下さったのですから。本当にタッチラブさまの行動の速さにはただただびっくりし、敬意を表します。志田さんの本に書かれていることは一昔前の山形県人の生活そのものです。山口県とはずいぶん違う点も多いでしょうが、タッチラブさまにはおおかたご理解できる内容だったのではないでしょうか?

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  2. 志田 孝儀2016/12/19 12:00:00

    今度角川書店さんから「ラストマタギ」が文庫本で発行しますと聞き
    検索していて、totokoさん と ふくふくほっぺさん の日記を読ませていただきました。

    祖父に話が来たとき、少しでも祖父の山の知識が残ればと「書いてみたら」と、
    小学生の日記のような文章ですが、祖父らしい本だと思います。

    祖父の本を愛読していただきありがとうございます。

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    1. 志田 孝儀さま、思いがけないコメントをいただきまして、本当にうれしい限りです。20年以上前にお祖父様にお会いして、色々お話をお聞きしていたので、「ラスト・マタギ」が出たと小国の藤田栄一さんの娘さんからお聞きして、すぐに注文しました。本当に素晴らしい著作で感動しました。孝儀さまからコメントをいただいたので、昨晩お母さんの智恵子さまにお電話して何年ぶりかでお話ししました。お元気でお仕事続けていらっしゃって、ホッと一安心しました。文庫になると言うことは素晴らしいことです。興味のある方にお勧めして、一人でも多くの方に読んでもらいたいと思っています。孝儀さん、立派なお祖父様をお持ちになったことをどうぞ誇りになさってください。

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    2. totokoさん
      返信ありがとうございます。
      母も一人でこなせる範囲で頑張っているようです。
      父が亡くなった後も、私と妹が返れる朝日山の家があることに感謝しています。
      私の高校生になる長女がまだこれから先夢が変わるかもしれませんが今は城北高校のライフル射撃部で県で優勝するなど将来狩人になろうと頑張っています。
      祖父を知らない娘が私が逃げた山に行こうとしている事に今は驚いています。
      優しくたくましい祖父は自分にとっては、神様のような人でした。
      祖父が亡くなった今、文庫化の話やこのような日記を見て祖父がまた近くにいるような気がして嬉しく思いました。

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